【インテルのビエリ、マンUへ移籍の可能性】

ロイ・キーンの訴えは無駄ではなかった。サー・アレックス・ファーガソン監督は、リオ・ファーディナンドを今シーズン中に復帰させるため法的措置を準備するとともに、ルート・ファン・ニステルローイにシーズン後半(および来シーズン以降)に向けた新たなパートナーをプレゼントすることを決断した。現状では、スールシャールは苦しい状況を打開するために途中から起用する方が有効だし、たびたび負傷にも悩まされている。またスコールズは第2FWのポジションに必ずしも適応できない場合もある。
フォルランは控えの選手に過ぎないと考えると、「赤い悪魔」の唯一のFWらしいFWであるファン・ニステルローイは絶対にチームに欠かせない選手ということになる。そのことをよく分かっているロイ・キーンは、2003年を締めくくるにあたって神様にこうお願いした。
ルート・ファン・ニステルローイに何も問題が起こりませんように。ユナイテッドの攻撃陣は周りから思われているほど強力なわけじゃない。このチームで本当に代えの効かない選手は彼一人だ」
アレックス・ファーガソンもそう考えており、新たなFWを獲得することは確実となった。それでは、だれを獲得するのだろうか? マーク・ビドゥカに関してはリーズが750万ユーロ(約10億円)の移籍金を要求しているが、ファーガソンは今後リーズの経営が管財人の管理下に置かれることになれば、この金額が下がるであろうことを予期している。
フラムが1000万ユーロ(約13億4000万円)の移籍金を要求するサハに関しては、ファーガソンはそこまでの金額を投資するほどの選手とは考えておらず、獲得の可能性は低い。
残る可能性は二つ。将来を見据えた補強をするか、多額の移籍金を支払うに値するスター選手を獲得するか。プレミアリーグチャンピオンズリーグの二つの目標を狙う戦力となる選手でなければならない。
前者の場合の候補として名前が挙がるのが、オランダの若手FWアルイェン・ロベンである。20歳で移籍金は750万ユーロ。非常に興味深い選手であり、ファン・ニステルローイの場合と同じようなブレイクも期待できる。オランダの年間最優秀若手選手にも選ばれており、すでにユナイテッドとは5年契約に向けて合意しているようだ。PSVアイントホーフェンですでにチャンピオンズリーグに出場(2ゴール)したため、今季は他のクラブでの出場はできないが、ユナイテッドの攻撃陣に新たな活力を与えることはできるだろう。
あるいは、多額の移籍金を支払ってクリスティアン・ビエリのような大物ストライカーを獲得するという選択肢もある。ビエリもチャンピオンズリーグには出場できないが、国内リーグでは一人で攻撃陣を支えることもできるし、ファン・ニステルローイの負担を軽減させられるだろう。決して安い買い物ではない(インテルは少なくともアドリアーノ獲得の出費を取り戻したいと考えているようだ)が、ともかくすべてはパルマをめぐる問題の今後の展開次第となる。
パルマがこのままの状態を維持することができ、アドリアーノが移籍しないのであれば、インテルがビエリを手放すことはないだろう。だがパルマが破産すれば、インテルはどうするだろう。アドリアーノを獲得したとして、チャンピオンズリーグの試合もない状況で、5人(カロンは出場停止)のFWをすべてレギュラーとして起用する異常な攻撃陣を作り上げるのだろうか? ビエリをすぐ売ることもできるのに、そのチャンスを無視して前線を超飽和状態にするだろうか?
カギを握るのはパルマファーガソンは待ち構えている……。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20031231-00000014-spnavi-spo.html