【ラツィオがインテルを下し4位に浮上=セリエA】

ラツィオインテルを2−1で破った。前半30分にビエリに先制を許したが、42分にコッラーディ、82分にザウリが決めて逆転。アルメイダは69分に冷静さを失ってしまい退場となった。試合自体は好ゲームだった。
第14節のナイトゲームの舞台は、スタディオ・オリンピコミランユベントスが勝利を逃していたため、インテルはここで勝ち点3を獲得すれば一気にローマに続く単独2位へと浮上することができる。一方のラツィオは勝てばインテルと並んで4位となる。
GKペルッツィの欠場によりラツィオマンチーニ監督は、ゴールマウスにセレーニの起用を余儀なくされたが、それ以外はいつも通りのメンバーで、中盤のセンターにはリベラーニとアルベルティーニスタンコビッチとフィオーレは創造力を生かしてコッラーディ、ムッツィの2トップに絡むことが期待された。
一方、インテルザッケローニ監督は防護マスクを着用したアダーニをカンナバーロコルドバとともにディフェンスに起用。左サイドにはキリ・ゴンサレスではなくパスクアレを選び、前線にはレコバ、ビエリ、マルティンスの3トップを配置した。
試合は序盤から良いリズムで進んでいく。両チームともに守りに入ることなく積極的にぶつかり合っていた。前半2分にはパスクアレが左サイドからクロス。ビエリがネグロに競り勝ってヘディングで合わせたが、ボールはわずかにゴール横へ外れた。12分にはよく動いていたリベラーニが左足ミドルを狙ったが、トルドが落ち着いてセーブ。21分にはフィオーレがコッラーディに決定的なラストパスを出し、コッラーディは左足で回転をかけてゴールを狙ったが、惜しくも枠の外だった。両チームともスピード感のあるプレーを見せ、個人の力もよく発揮されていた。攻撃は中央突破が中心となり、両サイドではラツィオのフィオーレやスタンコビッチインテルレコバやパスクアレが自由に動いていてあまりボールをもらえなかった。
24分にはクルスからレコバへ完ぺきな縦パスが通る。レコバはセレーニと1対1になったが、タイミングを待ちすぎてせっかくの決定機を無駄にしてしまった。30分にはインテルの先制ゴール。レコバが左サイドから低いクロスを入れ、セレーニがキャッチできなかったボールをビエリが無人のゴールに押し込んだ。ラツィオは32分にすぐさま同点のチャンスを迎える。コッラーディが頭で落としたボールをフィオーレが右足インサイドで狙ったが、トルドがはじいてコーナーキックに逃れた。その後もラツィオが攻め続け、42分には同点とすることに成功。左サイドのスタンコビッチからのアシストを受け、コッラーディがアクロバチックな右足シュートでトルドを破った。
後半に入ると、インテルレコバを下げてキリ・ゴンサレスを投入。マンチーニはムッツィ(フィジカル面に問題)を下げてオッドを入れなければならなかった。まず最初に仕掛けたのはラツィオ。46分、アルベルティーニの右足ミドルシュートがわずかに枠を外れる。49分にはリベラーニの直接フリーキックをトルドが何とか指先ではじき出した。インテルは徐々にラツィオの攻撃を抑え、反撃へと転じていく。クルスが好調で、右サイドに流れたり、中央へ戻ってラストパスを供給したりと良い動きを見せていた。59分にはビエリが中盤でうまくフリーとなり、ゴールへ向かって強烈な左足ミドルシュート。これはわずかにクロスバーの上を越えた。
69分、アルメイダが冷静さを失ってしまう。まずはコッラーディに対する悪質なファウルでイエローカードを受け、さらにコッラーディと小競り合いを続けた末、レッドカードを出そうとしたトレフォローニ主審からカードを奪い取った。アルメイダはさらに主審に怒りを向けたが、なんとかチームメートたちになだめられてグラウンドを後にしていった。
70分と71分にはフィオーレが遠距離砲でゴールを狙う。1本目はトルドがゴールライン手前でボールを止め、2本目のシュートはわずかに横に外れた。74分、スピードに乗って抜け出したマルティンスループシュートを狙ったが、素早くポジションを修正したセレーニがストップ。75分にはラツィオに決定的なチャンス。フィオーレがシュートを打たずにコッラーディへパスを出したが、コッラーディはトルドの目の前という絶好の位置だったにもかかわらずシュートを打ち上げるミスを犯してしまった。
76分にはゴール前に侵入したサネッティが右足で狙ったが、クロスバーの上へ。82分にはインテルの惜しい縦パスがビエリのかかとに当たってしまい、そこからラツィオがカウンターを仕掛ける。最後は若手のデルガドの左からのパスを受けたザウリがゴールネットを揺らした。ラツィオは85分にも惜しい場面。ペナルティーエリアすぐ外からのフリーキックをリベラーニが狙ったが、ボールはクロスバーをたたいた。90分にはフィオーレの左からのクロスにザウリが頭で合わせたが枠の外へ。インテルは4分間のロスタイムに最後の攻撃を試みたが、結局同点に追いつくことはできなかった。
この結果、インテルユベントスミランとの差を逆転する絶好のチャンスを逃してしまった。勝ち点3を得たラツィオは、インテルと並んで4位となっている。
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