【インテルとディナモが共に敗退】

オリンピースキー・スタジアムで行われたFCディナモ・キエフインテル・ミラノFCの一戦は、息つく間もない展開の末に1-1の引き分けに終わり、両チーム共にUEFAチャンピオンズリーグからの敗退が決まった。

勝利が必要
結果的にアーセナルFCFCロコモティフ・モスクワを2-0で下したため、グループBの2位となるには、両チーム共に勝利が必要だった。インテルがダニエレ・アダーニのヘディングシュートで先制したが、ディナモディオゴリンコンのゴールで同点に追い付き、緊迫した幕切れとなった。しかし、両チーム共に決勝点を挙げることはできなかった。
故障者の不安
ホームのディナモは多数の故障者を抱えており、オレクシー・ミハイリチェンコ監督は、負傷したアンドリー・フシン、デニス・オニシェンコ、セルゲイ・フェドロフ、ロベルト・アントニオ・ナンニ抜きでのチーム編成を強いられた。対するインテルは、ファビオ・カンナバーロイバン・コルドバ、アンディ・ファン・デルメイデが戦列に復帰した。
攻撃的な布陣
インテルアルベルト・ザッケローニ監督は、3-4-3の攻撃的なフォーメーションを採用したが、より積極的な姿勢で試合を始めたのはホームのディナモ。開始からの数分間でチベリュ・ギオアネが2度、そしてマクシム・シャツキフも、遠目の位置から果敢にゴールを狙うが、いずれも枠を捕らえることはできなかった。
決定的なチャンス
ディナモのこの試合で最初の決定機が、前半17分に訪れる。キャプテンのバレンチノ・ベルケビッチが左サイドを突破し、ペナルティーエリア内でフリーとなったディオゴリンコンにパスを通す。しかしブラジル人FWリンコンは、シュートを引っ掛けてゴール横に外してしまった。
ボレーシュート
ディナモのGKオレクサンデル・ショフコフスキーも前半32分、この試合で最初のピンチに見舞われる。エムレ・ベロゾグルのクロスをハビエル・サネッティが軽く流すと、ボールはアダーニにとって絶好の位置に落ちる。しかしショフコフスキーは、アダーニのうまく捕らえたボレーのコースを完璧に読んでセーブした。
ショフコフスキーのセーブ
インテルはその2分後、再びゴールに迫るが、サネッティのシュートはショフコフスキーに難なくセーブされた。前半の終了が近付くと、ディオゴリンコンが完全にフリーのヘディングシュートをゴール上に外し、インテルサネッティがシュートをゴール横に外すなど、両チームに決定的チャンスが訪れた。
惜しいシュート
後半の立ち上がりから両チーム共に必死にゴールを狙いに行く中、エムレのスルーパスフリオ・クルスに渡る。クルスはボールを浮かせてショフコフスキーを破ったが、これがポストに大きくはじかれ、途中出場のオバフェミ・マルティンスも押し込むことができなかった。そのわずか数秒後、ディナモコーナーキックからのボールがイェルコ・レコに渡り、レコがシュート。フランチェスコ・トルドは、このシュートを止めることができなかったが、マティアス・アルメイダゴールライン際で見事にクリアした。
マルティンスの脅威
ナイジェリア人マルティンスの投入により、インテルは前線でより強引なプレーができるようになる。そしてこのマルティンスのプレーから、先制かと思わせる場面が生まれる。ペナルティーエリア内に突進して放ったマルティンスのシュートが、跳ね返ってアダーニの足元へ。ゴールは確実かと思われたが、ショフコフスキーがこれに反応して素早く飛び出し、ボールを外へはじき出した。
アダーニのゴール
インテルの絶え間ない攻撃がついに功を奏し、後半23分にゴールが生まれる。マルティンスがゴールから30メートルの位置でフリーキックを得ると、エムレが浮かせたボールをペナルティーエリア内に入れる。これを受けたアダーニが頭で力強くたたきつけると、ショフコフスキーはなすすべも無くボールを見送った。
チャンスを逃す
決勝トーナメント進出をほぼ手中に収めたかと思われたインテルは、試合を決定付ける追加点を狙って、マルティンスが2度、クリスティアン・ビエリが1度チャンスを得たが、いずれも決められない。これに対し、ディナモはレコがシュートを放ったが、これにはトルドが全身を伸ばしてはじき出した。
終盤の同点弾
残り時間5分、インテルは数多くのチャンスを逃してきた代償を払うことになる。ディナモが得た何本ものコーナーキックの一つから、ディオゴリンコンに絶好のシュートチャンスが訪れると、リンコンは至近距離から確実にゴールを決めた。
熱狂の幕切れ
試合が振り出しに戻ったことで、両チーム共に追加点が必要となったが、ディナモは決定的なチャンスを3度逃してしまう。ディオゴリンコン、アンドリー・ネスマチニー、フローリン・チェルナトのシュートは、いずれも枠を捕らえ切れなかった。一方のインテルは、途中出場のアルバロ・レコバがシュートを放ったものの、ショフコフスキーの右足でクリアされた。だが、こうした努力もむなしく、試合終了を告げる笛が鳴り響き、インテルUEFAカップに回ることになった。

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