【新生インテル、白熱の試合の末ローマと引き分け=セリエA】

インテルとローマの対戦は白熱した試合の末0−0の引き分けに終わった。前半はホームのインテルが試合を支配したが、ローマの危険なカウンターにも苦しんでいた。後半はローマがボールをキープしたが、インテルは終盤に盛り返し、ビエリのシュートがポストをたたく惜しい場面もあった。
26日(現地時間)に行われたセリエA第7節の日曜のナイトゲームではアルベルト・ザッケローニ率いる新生インテルファビオ・カペッロのローマをホームに迎え、スペクタクルな熱戦が期待された。ザッケローニはそれほど大きくチームを変えてはいなかったが、得意の3トップはやはり採用し、クリスティアン・ビエリアルバロ・レコバキリ・ゴンサレスの3人を前線に配した。ディフェンスは最初4人だったが、フランチェスコ・ココを中盤に上げることで3バックへの変更も可能となる。MFはハビエル・サネッティクリスティアーノ・ザネッティマティアス・アルメイダカペッロは今回もダニエレ・デ・ロッシの新鮮な力に期待を託し、彼とエメルソン、オリビエ・ダクール、リマ、マンシーニの5人で中盤を構成。ツートップはフランチェスコ・トッティアントニオ・カッサーノで、ディフェンスはクリスチャン・キブーの回復が間に合ったためいつも通りのメンバーとなった。
ザッケローニの治療は効を奏したようで、インテルの選手たちからはここ数年見られなかったほどの気迫が感じられた。序盤からアクセルを全開にし、高い位置から厳しいプレッシャーをかけてローマを自陣にくぎ付けにしてしまう。ココが中盤のラインまで上がって3−4−3のシステムとなり、右に開いたレコバサネッティのドリブル突破とともにリマを苦しめていた。
だが、ボールを支配しているにもかかわらず、より決定的なピンチを迎えたのもインテルの方だった。DFファビオ・カンナバーロとDFイバン・コルドバはまだ新しいシステムになじんでいないようだ。前半26分、カッサーノがサムエルからのロングボールを受け、カンナバーロが足を滑らせたすきにループシュートを狙ったが、ボールはわずかにゴールの上を越えた。29分にはレコバが中盤でボールを失い、ローマにカウンターを許してしまう。トッティの右からのシュートはトルドがうまくはじいてコーナーキックに逃れた。
32分にはレコバのパスを受けたビエリが惜しいチャンスを迎えたが、あと一歩というところでDFジョナサン・ゼビーナに止められてしまった。43分にはまたしてもローマのカウンター。右サイドからエリア内に侵入したマンシーニが低いクロスを送ったが、味方はだれも合わせることができなかった。全体的にはローマは低調で、トッティとエメルソンもこの日はいまいち。デ・ロッシもほとんどディフェンスラインまで下がってしまい、創造力を生かすことはできなかった。
後半に入るとローマは気持ちを入れ替え、調子を上げたトッティを中心にインテルを苦しめていく。だが、最初にチャンスを迎えたのはインテル。50分、レコバの35メートルのフリーキックコルドバが合わせようとしたが、わずかに届かなかった。51分にはトッティのパスを受けたマンシーニが絶好のポジションからシュートを放ったが、ボールはゴール横へ。55分、再びトッティの絶妙なパスがリマに通ったが、エリア外からの左足アウトサイドキックは枠をとらえられない。62分、デ・ロッシのエリア内からの右足シュートもわずかにポストの外へ。
インテルは前半の疲れのためしばらく沈黙していたが、終盤になって再び試合の主導権を握り始める。ローマは逆にペースダウンし、攻撃陣にFWフリオ・クルスとMFギオルギオス・カラグニスを投入したザッケローニの動きも効果を表した。80分にはそのクルスの落としたボールに走り込んだアルメイダが強烈な右足シュートを放ったが、GKイバン・ペリッツォーリのファインセーブに阻まれる。
勝利を狙って最後の攻勢に出るインテルが最もゴールに近付いたのは92分。クルスがまたしても良い働きを見せ、最後はビエリがフィニッシュに持ち込んだが、体を張って飛び出したペリッツォーリの妨害を受けボールはゴールポストの角をたたいた。見どころの多かった好ゲームは結局ドローで終了。インテルのファンはようやく積極的に攻め続けるチームを見ることができた。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20031027-00000003-spnavi-spo.html