【インテルが苦しみながらも同点に追いつく=セリエA】

二つの顔を見せたインテルが2点のビハインドから追いついて2−2で試合を終えた。とはいえ、インテルに対する不安感はぬぐえない。ほとんどの時間帯で明確なアイデアが感じられず、分厚い攻撃ができていなかった。
めちゃくちゃなスターティングイレブンを起用したこともあり、クーペル監督の続投は引き続き微妙な状態となっている。
1トップ(カラッチョーロ)の後ろでロベルト・バッジョが中盤と前線をつなぐという形のブレシアに対して、4バックという選択は理解に苦しむ。後半にヘルベグに代えて中盤の選手(エムレ)が投入され、ようやくだれもが望んでいた3バックへと修正されると、インテルはそこから姿を変えていった。それほど素晴らしいというほどではないにせよ、クルスの投入もあって相手に危険を感じさせることができるようになった。
前半のインテルは悲劇的だった。キリ・ゴンサレスがGKサハに何でもないシュート1本を放った以外には何もできなかった。特にDFブレシェとGKトルドの混乱したプレーの罪は重い。ブレシェのクリアボールがコーナーキックになるのを避けようとしたトルドは、ロベルト・バッジョにボールをプレゼントしてしまい、バッジョは空になったゴールにボールを流し込んだ。
後半も前半と同じ流れでスタートする。バッジョが右サイドで自由に動き、カラッチョーロへ絶妙のクロスを供給。カラッチョーロはコルドバに競り勝ってトルドを破った。全く反撃する力もないインテルはこれまでかと思われた。
ここでクーペルは(いつも通りに)疲れの見えていたキリ・ゴンサレスを下げてクルスを投入。クルスはすぐにヘディングで1点を返しスコアを1−2とした。エムレも投入され、インテルはなんとか同点ゴールを狙えるようになっていく。
後半42分、ペナルティエリアに入ったクルスがダイネッリに止められる。通常のスピードでは明らかにPKに見えたが、スロー再生で見るとかなり疑問が残った。ダイネッリはクルスに触っていなかったようだ。ともかく、それまで完ぺきなジャッジをしていた若いピエーリ主審は、この場面で迷わずPKを宣告。ビエリがこれを決め、敗戦の恐怖をぬぐい去ることに成功した。だが、インテルへの不安感は消えない。
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