【インテル新加入三銃士で11秒弾/欧州CL】

イタリア勢が強い。インテル(イタリア)が敵地で3−0と強豪アーセナルイングランド)を撃破した。エースFWクリスティアン・ビエリ(30)の不在も、FWフリオ・クルス(28)ら新加入選手のスピードあふれる攻撃で3得点。後半は持ち前の堅守で相手の追撃を許さなかった。昨季準優勝のユベントス(イタリア)も2−1でガラタサライ(トルコ)に競り勝ち、前日のACミランラツィオと合わせてイタリア4チームはすべて白星発進となった。
オフの補強の明暗がはっきり勝負に表れた。インテルは新加入のFWクルスが故障離脱のビエリとFWレコバの穴を埋め、右MFファンデルメイデと左MFキリゴンサレスが中盤の動きに幅をつくる。前半のシュートは3本だけだったが、すべて枠内をとらえ、得点に結びつけた。アーセナルの新GKレーマンは常に反応が遅れた。
2点目の速攻が象徴的だった。ゴールキックからクルス、キリゴンサレスと渡り、最後はファンデルメイデがボレー弾。わずか11秒の早業だ。「速く正確なクロスをくれたキリゴンサレスのおかげ。美しいゴールだった」とファンデルメイデ。クルスも「我々は日に日に向上している。インテルはピッチ上で意地を見せた」と続けた。
昨季の大会は4強にイタリア勢が3チームと「イタリア復権」を印象づけた。だが守備的な戦い方は「つまらない」と批判も受けた。試合前には相手FWベルカンプから「(10年前の)僕のインテルでの経験はくだらないもの」とこき下ろされていた。強さが「本物」であることを敵に知らしめるしかなかった。
守備はもちろん堅い。前半32分、相手にPKを与えてしまうが、守護神トルドが反撃の芽をつんだ。ボールを準備しようとするFWアンリの前に仁王立ち、眼光鋭くにらみつけた。この威嚇がきいたか、アンリのキックは弱々しく、トルドは左手ではじいた。後半は「8人守備」。堅守から速攻の得意パターンを繰り返した。
「この素晴らしい芝の上なら、質のいいチームが勝つのは当然」とサネッティ主将が胸を張る。クペル監督も「最高のレベルの試合でした。誰もが今夜のインテルの姿を気に入ってくれるはず」と誇らしげだ。もう「つまらないサッカー」とは言わせない。
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