【ユベントス、ホームでインテルに大敗=セリエA】

インテルユベントスのホーム、デッレ・アルピで大仕事をやってのけた。今シーズン最低のパフォーマンスを見せたユベントスを、クルスの2ゴール(前半12分、後半24分)とマルティンスの1点(後半30分)で粉砕。ユベントスはロスタイムにモンテーロが無意味な1点を返すのが精一杯だった。
首位ユベントスデッレ・アルピインテルを迎え、大いに注目度は高まっていた。チャンピオンズリーグアーセナルに大敗を喫したインテルは、この試合で名誉挽回を狙いたいところ。ビエリとマテラッツィに加えてカンナバーロも欠場が決まり、そのポジションにはガマラが入った。エムレレコバはベンチからのスタート。一方のリッピ監督は、ほぼベストメンバーをそろえたが、ザンブロッタだけは負傷の回復が間に合わなかった。テュラムは復帰。大観衆を背に、ユベントスは立ち上がりから積極的に仕掛ける。インテルマルティンスがカウンターのチャンスをうかがっていた。
試合の主導権はユベントスが握る。インテルも組織的に守って反撃のチャンスを待つ。どう転んでもおかしくない展開だった。前半12分、マルティンスの突破がインテルフリーキックをもたらすと、これをクルスが直接決めて、インテルが先制した。ユベントスはここで早くも足が止まってしまう。いつものような中盤の連携が見られず、縦に攻め込むことができない。
前半23分にはサネッティのシュートがクロスバーをかすめるなど鋭い攻撃を見せるインテルに対し、ユベントスは動きが鈍く、中盤から前線にはなかなかボールが通っていなかった。それでも、前半30分にはユベントスに決定的なチャンス。だが、ゴールを目の前にしてカモラネージはシュートを打ち上げてしまった。その3分後には、ネドベドからの浮き球のパスを受けたトレゼゲのボレーがゴール横へ外れる。インテルがよく守っていたこともあって、ユベントスの攻撃はまとまりを欠いていた。数人の主力を欠くインテル以上に、ユベントスにおけるザンブロッタの不在の影響が強く感じられた。
デルピエロの弱々しいフリーキックインテルGKトルドの手中に収まったのを最後に前半は終了。ロッカールームへ向かう通路の中ではトルドとモンテーロが火花を散らすなど、デッレ・アルピの緊張感は高まっていた。
前半ボロボロだったカモラネージに代わって、後半はディバイオが登場。それでもユベントスは攻撃を組み立てられない。インテルは前半と同じく守りに重点を置き、マルティンスのスピードを生かしてカウンターを狙う。決して内容の良いゲームとは言えなかったが、カミソリの上で戦っているようなピリピリした緊張感があった。ユベントスは後半9分にチャンスを迎えるが、トレゼゲのラストパスにディバイオは合わせられず。後半13分にはカウンターで抜け出したマルティンスユベントスGKブッフォンがなんとかストップ。
インテルは疲れ果てたファン・デル・マイデに代えてエムレを投入。ユベントスは試合の流れを変えることができず、相手陣内でゲームを進めながらも、GKトルドを脅かすことはできなかった。後半22分にはマルティンスのシュートをブッフォンがセーブ。だがその2分後にはブッフォンの弾いたボールをクルスに決められ、ユベントスは2失点目を喫した。ユベントスからは全く生気が感じられず、いつものようなプレーは影を潜めていた。インテルは楽に試合を進め、後半30分にはレグロッターリエの致命的なミスに付け込んだマルティンスが3点目。アウエーで3−0という歴史的なスコアとなった。
その後、試合はトーンダウン。もはや勝利をあきらめていたユベントスだったが、後半44分には相手ゴール前の混戦からモンテーロのヘッドで1点を返した。とはいえ敗戦の痛みが軽くなるわけではない。最後に笑ったのはインテルザッケローニ監督だった。
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